以前、富山県高岡市伏木、勝興寺に於て祖師聖人の報恩講・御満座が勤められた。
この御満座は幾千の同行が集り信心の沙汰、御示談を夜通し行うもので、三国一といわれる宮本同行を中心に催された。
ある時、親鸞会ではこの時こそ破邪顕正の好機と全国より集った親鸞学徒四十数名により顕正戦がくりひろげられた。
中でも宮本さんの仰言ることなら間違いないと盲信する聴衆の前で、
当の宮本同行に、後生の一大事の解釈を求めたところ
「とりかえしのつかんことだ」との返答。
「では、何のとりかえしがつかんのか」ときり込むと
「後生の一大事のとりかえしがつかんことだ」
としどろもどろに訳のわからぬ返答をくりかえすばかり。
ついには
「今判らんでも、ワシらの年になったら判るわい」
と無茶苦茶の暴言をはき、そのあやふやな言動に
「これが三国一の同行か。これでは真宗は廃れる筈だ」
と落胆の声がどよめいた。
隣の詰所では親鸞学徒が時間を申し受け、今度は堂々と説法。
大衆の迷妄を打破り、真実の光明をなげかけ大喝釆をうけた。
このようにして各自、親鸞聖人の教えを語り合い、破邪顕正に尽力した。
ある人は眼のあたりに浄土真宗の衰退と
正しい
浄土真宗の教えへの喝采を見聞きし、
「ますます親鸞聖人の教えの偉大さを知らされた」
と喜びをかみしめていた。