ガンといえば死の宣告も同然、昔の日本では近親者には告げても本人には知らせないのが通例となっていた。

早期発見が最も大切なところであるが、言うべきか、嘘を言ってダマすべきか医者が苦慮している間に患者は、次の病院へと走ってしまう。

手遅れが心配される処だ。

それで、日本ガン治療学会では患者にガンと知らせぬべきか、知らしむるべきか討論されることになったという。

ところで我々は万人一人のこらずがガンよりももっとおそろしい後生の一大事の元凶、逆謗の屍というガンガンガンをもっていることに驚かねばならない。

平生ピンピンしているとき、浄土真宗の法話を聞いて後生の一大事のショックにめざめた人のみに平生業成の道はひらかれている。

何事も早期発見第一、臨終では余りにも危険である。