好天に恵まれて国道8号線より41号線へと快調な音を立てて飛騨路の山と山の間をすべる様に走っている車の中。
各々はそのまがりくねった道、まわりの景色に想いを馳せながらある人が、
『この道はよくまがりくねっているね』
すると善知識が
『それこそ正客だ』
『本当やわ』
その時、私はこの短い会話の中に真実の
仏教を知る思いであった。
そして
一休さんと
蓮如上人の問答を思い出した。
一休さん、七曲りにまがった松をまっすぐに見た人には『賞金をとらす』という問に、大衆はすべてどうしたらまっすぐに見えるかと頭をひねっていた。
蓮如上人唯一人それは七曲りの松であると答えられた。
善知識の『それこそ正客だ』との言葉の中に深いお
慈悲を感じた。
早く本当の自己(機の真実)を知って一日も片時も急いで
『絶対の幸福になってくれよ』と叫んでおられる。
私たちは自分は素直なものと自惚れている為に本当の自分がどの様なものかと言う事が判らず、
阿弥陀如来の御苦労を
虚しくしているのである。
“自己を知る為に全力で”