私が親鸞会へ入会して一年4ヶ月。
劇といえば小学生の頃それらしいものをやった様に覚えているが、こんどが初めてといってよい状態でした。
それも“
親鸞聖人”役ということで始めは簡単に喜んでいたが、私が入会して間もない頃、観せて頂いた劇で大変感動したことを思い出し、その責任の重大さに心配にもなりました。
劇出演の他のみんなも難かしい分からないといいながらも、その役の立場に立っての話し方、感情の込め方等細かく説明し、みんなを引張ってくれる小川監督の熱に動かされ、いつの間にか、みんなその役になりきっていきました。
私が“晩年の聖人”という役を通じ感じたことは聖人の深い心は計り知ることもできませんが、やさしい反面、筋金といおうか、いやもっと強靱な意志、ただ真実鉄骨の慈愛がひしと感じられ、自分のこれからの努力を指し示されたそんな思いがしました。
違った職場で働く、それも年令の違う男女二十数名の人達との触れ合い、短期間で日常とは異った言葉使いでセリフを覚えなければならない等、単なる娯楽ではない重大な内容の含まれたこの劇を通じ、辛いこともあったが、それだけに日頃
親鸞聖人から聞かせていただいていた
浄土真宗の法話が生きたものとして感じられました。
又、気魄と和を盛り上げ、その中心となり、皆を本番まで引っぱってこられた監督の
精進と
忍辱、そこからは並々ならぬものが感じられ、その溢れる熱からは小川監督を通じ
親鸞聖人の偉大さをまざまざと見せつけられた思いがしました。
今回の劇を通じ特に感じたことは、日頃の努力のたりなさ、真剣味のなさであり、より一層真剣な努力をもって真実に突き進まなければならないということでした。