こんなつらいシャバを、どうしてそんなにまでして生きていたいのか?
さっぱりわからんではないか。
石にかじりついても生残りたいのだ。
それどころか「世界中の者が全部死んでもよし一人は生残りたい」のだ。
まるで気違いじみた執念だ。
なぜこんなにまで強力な執念が起るのか?
答えは簡単だ。
それは、
死後の世界があまりにも
苦しいからだ。
自身の業魂がかつて生前に受けた苦みを知っているからである。
その過去に受けて来た
地獄の恐怖がしみついているからである。
だからこそ死をおそれるのだ。
これは理屈ではわからん。
本能的直観でわかるのだ。
歴代の高憎達が口をそろいて後生の一大事と叫ばれたのは決してダテではないのである。
だから
死の恐怖を解決しないうちは
決して現在の安心を確立することはできない。
だって、誰れもこの本能的直観と言う『
死の恐怖』から逃がれることができないからである。