善知識が碁並べをされていたときのこと。
ある日も、碁並べを終えられてから後、
「待つという事は大事だね、あせった時は必ず負けるね、これは人生にもいえる事だ」
と仰言った。
ちょっとスムーズに事か運ぶと、すく調子に乗って先を急ぎ、
思うようにいかないとすぐやけをおこして投げだしてしまう、
ちょっとの苦しみにあうとすぐにげだしてしまう。
このような俸にもハシにもかからぬ私達に
「急いては事をしそんず、じっくりと焦せらずに、時機を待ち、朝のこない夜はなし、
春のこない冬はないように、いかなる苦しみにも自らとび込み、
それに耐えていってこそ夜明けを迎える事が出来るのだ」
と「待つ」という一語は私に教えてくれた。
善知識にご教導いただき、ますます
仏法の尊さを知らされると同時に、
この遇い難き仏法を軽くみている自己がいたたまれない、
浄土真宗の法話を真剣に
聴聞し、
よりいっそう聞法
精進しなければならない。