もしこの世に聖人生れませねば誰がこの凡愚に真実を伝えて下さったことであろう。
死んでよし、生きてよしの真の教を身を以って信じ教え給うた聖人生れませねば
出離の縁のない逆謗いつの日か大悲にとび上ることができようか。
聖人様700年前によう御生れ下さいました。
このめでたい日を、真宗門徒、親鸞学徒、闡提の機が片時も忘れてよいものか。
恒例の降誕会は七月十一、十二日と
親鸞会本部会館において開かれた。
折悪しく梅雨末期の豪雨に見まわれたが、
それでも親鸞学徒は全国津々浦々から馳せ参じ盛大に催された。
熱気、歓喜、真実、燃え上る破邪の意気、
毎回の事ながら
親鸞会の隆盛日に揚り天を突く様相であった。
特記すべきことは、初日夜と2日目後行われた、青
年部の劇、それに2日目午前行われた弁論大会の2つである。
弁論大会は各支部予選を了えた優秀な選手が20名集まり、
親鸞会の講師の厳粛なるへ弁論についての御さとしによって開幕され
堂々2時間半にわたって血を吐く獅子吼がなされた。
誰一人として賞にこだわることなく、
真実に目覚め、獲信の喜びのまま世を去り
成仏した母を偲んで訴える者、
20幾才の若きの中に人生の裏街道まで歩み通して今、
親鸞会に御縁があって光明は近いと机をたたいて喜び叫ぶ者。
この真実に気付かせ様と苦労し給いし父をうらんだ我身の浅はかさに泣いて詫び、
聴聞に命をかけると誓うもの、満堂の聴衆は豪雨も暑さも打ち忘れ溢れる涙をふきもやらず……。
鳴呼親鸞聖人この姿を満面に笑みをたたえながら眺めて曰く
「快なる哉親鸞会よ親鸞学徒よ、そのまま進め進め、無明長夜に炬灯は近い」
との御声が聞える。
御縁終って聴衆の帰途の言葉に
弁論、劇のすばらしさは」と。