祖師
親鸞聖人の御降誕を祝して親鸞会本部降誕会が盛大に催された。
全国から押しかけた参詣者で前日から本部会館はごったがえした。
「金剛の信心を獲得する者は必ず現生に十種の利益を獲る」
の一節を文字通りそのままに体験を通して大獅子吼され、絶対の自信からあふれ出る力強い雄叫びは皆々の魂をゆり動かさずにはおかなかった。
午後は青年学徒が劇「ああわが祖師親鸞聖人第七編・信楽房事件」を上演個性あふれる名演技、手に汗にぎる名場面に満場感動の渦がまきおこった。
翌日は若さみなぎる弁論大会から始まった。
夫々の弁士の声涙共に叫ぶ燃える意気は満堂をわかすに十分、今回は聴衆全員が審査することになり、いやが上にも盛り上った。
午後は涙と汗、歓喜と鳴咽、豪快な立ち回りの青年部大演劇「信楽房事件」の後編の上演。
聖人が可愛がっておられた信楽房が聖人を謗って他の師のところへ去った時
「つくべき縁あればつき、離るべき縁あって今離れるのであろうが、信楽房よ、いずこの里へいっても早く阿弥陀仏に救われて幸福の身になってくれよ」
と念ぜられる聖人の大
慈悲に涙を禁じえなかった。
この日の為の猛練習、時には十二時も過ぎる部長の指導よろしく、如来聖人の御前にて満堂の会員をうならせた。
猛烈求道二題
人数からいえば女性上位の親鸞会、モーレツ求道も女性、といえば男性学徒からお叱りをうけるかも知れないが二人のモーレツ女性を紹介したい。
一人は今話題の四国の親鸞学徒である。
まだ疑問、知りたいことがあると三人連れで親鸞会本部の様子をこの目、この耳で確めようと来られ、しかも遠路本部への聴聞とあって、一週間余入院して五体を修繕してきたとのことである。
晩の質疑応答の時間でも重要な話題に及ぶと朝まででも続けるべしと青年学徒顔負けの言動。
とにかく考え方、気持ちが新しく大変真実に貪欲な人である。
仏法は若き時たしなめと仰言るが、この人の為の言葉だったのだろうか?
もう一人は午前の浄土真宗の法座に間に合うようにと能登は和倉温泉郷からタクシーを一時間余ぶっとばして
聴聞。
法座中の一時間半は待料金を払い、なおかつ運転手さんを供って聴聞という真剣な態度に目をみはるばかり。
帰りのタクシーの中で、どうしても午後の法座も聞かなくてはと思いなおし、タクシーを乗り替えて又聴聞するというゴツイ求道心は学徒の範として注目を集めていた。