浄土真宗の法話へ寄せて頂いた時のこと。
「もうあと一日で福井の御縁も終りだね」
「ハイ、本当にアッという間です」
「人生もその様にすぐ過ぎ去ってしまうよ」
と
無常の世を無常とも感ぜず、悪に汚れた私に無常のトラの足の速い事を教えて下さった。
けれど、どれだけ
諸行無常だと浴びる程聞かされても私の心は水に油をさしている様なもので真実の言葉をはねつけ、はじいてしまう。
新聞では毎日交通戦争の激しさをまざまざと見せつけられ、毎朝咲くアサガオの花さえも常の無い世の現実を見せてくれても、私だけはまだまだと長綱をはいている心。
この不実一杯の心に常に無常のトラは刻一刻とさし迫っておれど、それを驚くどころか私の心は少しも目醒めてはくれない。
かくも浅き宿善をもつ私にとって若さとエネルギーだけが財産、これをもって
聴聞、顕正に命をかける覚悟です。