私の親は
仏教が大嫌いで、私が親鸞会の
浄土真宗の法話へお参りするのを邪魔します。
しかし私は自分の
後生の一大事を思うと親の言分に従っておれないのでお参りします。
これも親不孝ということになるのでしょうか、お教示下さい。
何でも親の言う通りにするのが親孝行だと思っている人がありますが、それは間違っています。
これは笑話のようですが昔親の言う通りにすることが親孝行だと思っていた息子が
村の会合にゆく時に父親に「何をはいてゆけばよいでしょうか」と尋ねたら父は
「下駄がよかろう」と言った。次に母親にたずねると
「クツがよかろう」といったので右足に下駄左足にクツをはいて行って
皆に笑われたという話があります。
本当の
親孝行ということを知らないのです。
親孝行の最たるものは
真実の親孝行は親を絶対の幸福にしてあげるということです。
変らぬ無上の
幸せにしてあげるよう努力することこそ真の親孝行というものです。
よく仏法を聞いておられるあなたなら御存知の通り絶対の幸福は仏法を聞き
阿弥陀如来の救いにあずからねばありえません。
早くあなたが仏法を求め、まず我身が真実の幸福を獲得して
親にも教えてあげて親も真の幸福になって頂くことが最も親孝行となるのです。
『孝経』の諫争の章にも
「親の言行が不義に当る時は親と争わなければならぬ。
親の命令に従うだけが孝ではない」
とあります。また『孝子経』の中にも
「万一親が不義なる時は涙をもって諌言し絶食して親に反省を求めよ」
と説いてあります。
親の反対を押しきって仏法を求めるのは、
ちょっと考えると親不孝のように見えるかも知れませんが、
仏法を信ずるということは大宇宙の真実に順うということです。
人間に生れ出た唯一の目的ですから親の威光で左右出来る問題ではありません。
「地球は円い」のに
「地球は平面だ」とは親の権威でも押しつけることは出来ませんし、
そんな親を黙って聞き流してはなりません。
まず親に法を話せ
孝行は日本の良風美俗、親への従順は結構ですが、
ことと次第を弁えなければ反って親不孝になります。
故にあなたの場合、出来得る限りあなたは真実の仏法のいかなるものかを
親にお話になることが第一です。
あなたの親は未だ真実の仏法も
生きる意味も御存知ないあわれなお方なのですから
何とか分かるように機会を考えてお話になって下さい。
それでも親は仲々子供の言うことは聞けないものですから難しいと思いますが
その
努力が大切な親孝行の第一歩だと思います。
それでも尚親が仏法を求めることに反対してもあなたはそんなものにおそれずに
真実一路求めぬかねばなりません。
他人の後生の一大事ではないのですから。
そして一日も早くあなた自身が魂の解決すればその余りにも鮮かな尊い生きた仏法の真実に
あなたの両親も驚いて必ずや仏法を聞かれるようになり
あなたによって真実の信仰へ導かれて真の幸福になられるでしょう。
それこそ本当の親孝行と仏教では教えるのです。
苦しいでしょうが頑張りましょう。