善知識にとって、余りにも予期せぬ出来事であった。
それは
浄土真宗の法話の帰途の途中、脇道から一旦停止もせずに突っ走ってきた一台の車との衝突事故であった。
車は見るに無惨に破損したのに、善知識は御身体にかすりきず一つされなかった事に、驚かずにはおれなかった。
が思わぬ同乗者のムチ打ち症が報告された。
病状を案じられながらも、なおもその中から他県等、方々を布教活動にひたすら専念なされるお姿を拝した時、私も頑張らなくてはと思わずにはおれなかった。
私達は良く順境に会えば
有頂天になり、逆境に会えばすぐへこたれてしまいがちだが、
善知識は“逆境に会えば合う程なほ一層ファイトがわき、奮起せずにはおれない”と仰言る。
他力信心の一面を感じさせられると同時に、
私達には善知識のこのファイトを持って、これからの求道にぶちあたり、
一日一訓にもある如く「苦悩は幸福の一里塚と思い一層奮起し」て前進あるのみです。
他流(迷っている者)には
「名号よりは、絵像 絵像よりは、木像」というなり
当流(浄土真宗)には、
「木像よりは、絵像、絵像よりは、名号」というなり。