来てよかった。本当に。
こんなに感激したことはなかった。
涙ながらに自分を語られた方。
初めのうちは感情に訴えて泣かせようとしているのではないかと
愚かな疑いをいだいた私であったが、
誰がこれほどまでに自分をかくさず
言われる事が出来るであろうか……
又ある方は尊い体験をとおして
「おまえの浄土真宗の法話の聞き方では駄目だと
心から聴聞のあり方を叫んで下さったように感じた。
この時ばかりは聞かぬ私も、ぜひ聞き抜かなければならないと
自覚し身を引き締めた。
生あるものは必ず死があると知っている私でも、
自分の命となると明日を信じ、
いや五十年、百年、百年後の命でさえ信じている私、
こんな私に、友人の死を通して
人生の無常を悲痛な声で訴えるように教えて下さった。
こんなはかない命を持っている私。
急いで永遠にかわることのない
明かるい不安のない心になりたいと決意を新たにした。
本当の親孝行を真剣に考えられ実行せられようとしておられる方、
今までは相対な幸福を与えることのみが
親孝行であると思っていた私、
またそれさえもしようとしない私、
これからは法の友として頑張りたい、
人生は食て寝て起きてくそたれて子は親となる、子は親となる
「人間はこれでよいのか天井裏のネズミでも出来ることで
　我々は満足してよいのか、僕には満足出来ないのですが……」
と訴えるまだ年若い少年、本当にそうだ、
天井裏のネズミでも満足できないのではないだろうか
と疑いたくなる私
まして人間はこれで満足できる筈はない
どうしたら不満足なこの心を満たす事ができるだろうか。
唯この真実の教えのみではなかろうか……

　真実を知る者は幸福なり

　真実を求めるものはなお幸福なり、
　真実を獲得するものは最も幸福なり。
親鸞会の先生のこの御言葉を本当にそうでしたと
感泣されている尊いお姿をまのあたり見せていただき、
私の目からでさえ涙が溢れかけた。
聞かぬ私をむち打たんが為壇上にたたれた弁士の皆様
本当に有難うございました。
きょうの弁論大会は、私一人のためだった。
人間の目的を知った今は目的達成に向い一生懸命頑張りたい。